2019年06月18日

民法123 判例六法 丸暗記ドリル【メルマガ版】 #司法試験 #司法書士試験 #行政書士試験


★今日の問題★
次の記述の正誤を答えよ。

 Aは、Bに対して債権を有していたが、これについて、AB間で譲渡禁止の特約を設定していた。Aの債権者であるCが、AB間の債権を差し押さえた場合、Bは、譲渡禁止の特約があることを理由に、Cに対する弁済を拒むことができる。



10秒で考えよう。よーいドン!

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★今日の解説★

 現行法、改正法、共に間違い。
 現行法では、次の判例のとおり。

 譲渡禁止の特約のある債権であつても、差押債権者の善意・悪意を問わず、転付命令によつて移転することができるものであつて、これにつき、民法第四百六十六条2項の適用はない。(最判昭和45年4月10日)

※現行法
(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。

 その理由は次のとおり。

 民法第四百六十六条2項は、その文理上、債権の譲渡を禁止する特約につき、その効力を認めたものであつて、譲渡以外の原因による債権の移転について同条項の規定を準用ないし類推適用すべきものとする見解には、首肯するに足りる合理的根拠を見い出すことができないのみならず、譲渡禁止の特約のある債権に対して発せられた転付命令について、同法第四百六十六条2項の準用があると解すると、私人がその意思表示によつて、債権から強制執行の客体たる性質を奪い、あるいはそれを制限できることを認めることになるし、一般債権者は、担保となる債務者の総財産のうち、債務者の債権が、債務者、第三債務者間の譲渡禁止の特約により担保力を失う不利益をも受けなければならないことになるのであつて、法の予想しない不当な結果をうむものといわなければならず、このような結果は、転付命令申請の際に差押債権者が善意であれば保護されるということや、差押債権者には取立命令を得る道が残されているということで補われるものではないからである。(最判昭和45年4月10日)

 改正法では、上記判例を踏まえたうえで、第四百六十六条の四1項が設けられている。

※参考条文

【改正法】
(譲渡制限の意思表示がされた債権の差押え)
第四百六十六条の四 第四百六十六条第三項の規定は、譲渡制限の意思表示がされた債権に対する強制執行をした差押債権者に対しては、適用しない。

2 前項の規定にかかわらず、譲受人その他の第三者が譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった場合において、その債権者が同項の債権に対する強制執行をしたときは、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもって差押債権者に対抗することができる。

【改正法】
(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。

2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。

3 前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。

4 前項の規定は、債務者が債務を履行しない場合において、同項に規定する第三者が相当の期間を定めて譲渡人への履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その債務者については、適用しない。






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posted by 判例ラノベ化プロジェクト at 20:23| オリジナル問題